言語と脳科学プロジェクト
今井研では、行動指標、視線計測、脳波計測、脳機能イメージングなど
様々な実験手法と乳幼児の言語発達や多言語比較の研究を通して
言語と脳の関係に迫ります。
研究興味に合わせて様々な手法に携われることが特徴であり、
実際の調査に参加することで、研究手法や研究の行い方を経験しながら学べます。
研究で用いる手法
行動指標
与えられた課題に対する正答率や反応時間を計測や、
選定や評定の結果により認知メカニズムに迫ります。
実際の研究例:
触った感じを音にする
お母さんは赤ちゃん語をどうやって使っているか
ことばの地図を塗り分ける
視線計測
微弱な赤外線を利用し、
黒目と白目の光の反射率の違いから視線の向いている方向を測定します。
まだ言語の話せない乳幼児も、
予想と反するものを見た際に注視時間が変わることや、
思った方向を見ることができることが報告されています。
視線を計測することで、彼らの思考を探ることが出来るのです。
脳波計測
私達の脳には常に電気活動が発生しています。
シナプスから出ている小さな電位が加算された事象関連電位(ERP)を分析することで、
言語の脳内処理を検証することできます。
今井研では、成人の脳波と乳幼児の脳波の両方を計測しています。
実際の研究例:
音と意味の感性のはじまり
助数詞と名詞のマッチ度を脳活動から予測する
脳機能イメージング
機能的磁気共鳴法(fMRI)を用いた研究では、
磁場を与えた際の反響した信号を計算することによって血流量等を分析し、
脳の断面の画像を撮影することで、脳機能を分析しています。
実際の研究例:
ことばの音は意味を“わかりやすく”する
今井研言語班の特徴
年齢間の比較(乳児・幼児・成人)
乳幼児の研究は、
玉川大学赤ちゃんラボとの共同研究や幼稚園での調査を通して行われます。
言語学習のプロフェッショナルである乳幼児と成人を比較することで、
乳幼児がどのようにことばを学習しているのか、
大人の外国語学習は母語の学習とどのように違うのか、といった問題に迫ります。
リンク:玉川大学赤ちゃんラボ
多言語間比較
国内外の大学と連携し、
日本語・英語・中国語・ドイツ語といった多言語の比較研究を行っています。
言語の特徴が、言語学習と思考にどのような影響を及ぼすのか、
言語普遍的な概念は何なのか、といった問題を検証しています。