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    研究の関心

    研究を始めてからずっと言語の研究を続けています。
    人はどのように言語(母語)を学習しているのか。
    その前提・基盤となる認知的能力は何なのか。
    そもそも人の心(脳)の中にある辞書はどのような性質のもので、
    どのような構造で語の意味が書き込まれ、
    それぞれの語のつながりはどのように表されているのか。
    言語を学ぶことによってわれわれの概念・思考はどのような影響を受けるのか。

    私はこれらの問題に対し、乳幼児と大人の双方を研究対象にし、
    アメリカ、中国、ドイツなどの研究者とチームを組んで
    発達・異言語比較の視点から取り組んでいます。

    研究に用いるパラダイムは多岐にわたります。
    例えば赤ちゃんを対象にした研究では選好注視法、馴化・脱馴化法、馴化スイッチ法など
    赤ちゃんの視線、注意を利用した方法を用いています。
    今後は脳波なども使っていく予定です。

    大人を対象にした研究では認知心理学の標準的なパラダイム
    (反応時間の測定や記憶、類似性の評価、ソーティングなど)の他、
    脳波の測定やfMRIを使ったイメージング手法なども使っています。

    もうひとつの研究のコアになっているのは、人の学習の認知プロセスを明らかにし、
    教育へ応用することです。

    「学び」という、人間の存在そのものに関わる重要な問題について
    認知心理学・認知科学は数多くの基礎的な知見を明らかにしています。
    それらの知見は直接的・間接的に「よりよい学びとは何か」
    「よりよく学ぶためにはどうしたらよいのか」を考える上で
    大きなヒントになるはずのものです。

    それにもかかわらず残念なことにこれらの成果はあまり一般にはよく知られていないし、
    現在の教育の現場に生かされていません。
    それはそれぞれの成果が人間の認知の基礎的な理解のためには重要であっても、
    それがあつまったときにどのようなことがいえるのか、
    それらが学校における学習や日常におけるスキルの学習などにどのように役に立つのかが
    わかりにくかったせいではないかと思われます。

    認知科学のこれまでの成果をもとに、学習に関して知っておいたほうがよいこと、
    知っておくと役に立つことを互いに有機的に関連づけながら
    学習の本質は何なのかという問題を考えて生きたいと思います。
    その最初の一歩として野島久雄さんと共著で「人が学ぶということ」を書きました。

    研究活動

    人はどのように言語(母語)を学習しているのか。
    その前提・基盤となる認知的能力は何なのか。
    そもそも人の心(脳)の中にある辞書はどのような性質のもので、
    どのような構造で語の意味が書き込まれ、
    それぞれの語のつながりはどのように表されているのか。
    言語を学ぶことによってわれわれの概念・思考はどのような影響を受けるのか。

    これらの深淵かつ刺激的な問題に対し、
    乳幼児と大人の双方を研究対象にし、
    アメリカ、中国、ドイ ツ、イギリス、オランダなどの研究者とチームを組んで
    発達・異言語比較の視点から取り組んでいます。

    最終的に人間の本質を理解するために言語と発達の研究を続けていきたいです。
    外国語教育、科学教育にも興味があり、認知科学の研究成果を教育にいかに生かすか
    という問題に取り組んでいます。

    言語と脳科学プロジェクト

    今井研究室では、行動指標、視線計測、脳波計測、脳機能イメージングなど
    様々な実験手法と乳幼児の言語発達や多言語比較の研究を通して
    言語と脳の関係に迫ります。

    研究興味に合わせて様々な手法に携われることが特徴であり、
    実際の調査に参加することで、研究手法や研究の行い方を経験しながら学べます。

     

    ◆研究で用いる手法


    行動指標

    与えられた課題に対する正答率や反応時間を計測や、
    選定や評定の結果により認知メカニズムに迫ります。

    実際の研究例:
    触った感じを音にする
    お母さんは赤ちゃん語をどうやって使っているか
    ことばの地図を塗り分ける

    視線計測

    微弱な赤外線を利用し、
    黒目と白目の光の反射率の違いから視線の向いている方向を測定します。
    まだ言語の話せない乳幼児も、
    予想と反するものを見た際に注視時間が変わることや、
    思った方向を見ることができることが報告されています。
    視線を計測することで、彼らの思考を探ることが出来るのです。

    脳波計測

    私達の脳には常に電気活動が発生しています。
    シナプスから出ている小さな電位が加算された事象関連電位(ERP)を分析することで、
    言語の脳内処理を検証することできます。
    今井研では、成人の脳波と乳幼児の脳波の両方を計測しています。

    実際の研究例:
    音と意味の感性のはじまり
    助数詞と名詞のマッチ度を脳活動から予測する

    脳機能イメージング

    機能的磁気共鳴法(fMRI)を用いた研究では、
    磁場を与えた際の反響した信号を計算することによって血流量等を分析し、
    脳の断面の画像を撮影することで、脳機能を分析しています。

    実際の研究例:
    ことばの音は意味を“わかりやすく”する

     

    ◆今井研言語班の特徴


    年齢間の比較(乳児・幼児・成人)

    乳幼児の研究は、
    玉川大学赤ちゃんラボとの共同研究や幼稚園での調査を通して行われます。
    言語学習のプロフェッショナルである乳幼児と成人を比較することで、
    乳幼児がどのようにことばを学習しているのか、
    大人の外国語学習は母語の学習とどのように違うのか、といった問題に迫ります。

    リンク:玉川大学赤ちゃんラボ

    多言語間比較

    国内外の大学と連携し、
    日本語・英語・中国語・ドイツ語といった多言語の比較研究を行っています。
    言語の特徴が、言語学習と思考にどのような影響を及ぼすのか、
    言語普遍的な概念は何なのか、といった問題を検証しています。





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