ABLE 2018 September
脳科学を教育に活かす
2018/09/22 [Sat] 13:00-

News

当日の動画を公開しました。

コンセプト

ABLEは教育にイノべーションを引き起こすために、志ある人々をつなぐ国境を越えたコミュニティです。

 2018年6月3日(土)に行われたABLE2018Juneでは、「フィンランドの教育から学ぶ」をテーマとしました。フィンランドでは、学習科学のエビデンスを拠り所に、国民だれにも公平で質の高い教育を保証することを目指すという大目標を掲げ、他国との競争ではなく独自の価値観を貫いて世界の範たる教育大国になりました。その理念と理念実現のための合理性に大いに揺さぶられ、日本の今後歩むべき方向について考えさせられました。

今回は最近至るところで取りざたされている脳科学にスポットライトをあて、「脳科学は教育に何ができるか」をテーマにします。脳科学は私たちの知の地平線を広げてくれました。しかし現在、その成果を拡大解釈し、根拠のないままに「脳科学に根ざした学習方法」を標榜して、教育現場にとりいれようとする安易な動きもあります。脳科学は学び方、教育に対して様々な有用な視点を持たせてくれます。しかし、脳科学から、学習や教育について有意義な示唆を得るためには、学習科学のリテラシーと批判的思考が欠かせません。今回のABLEでは、教育現場や保護者たちが脳科学の神話に惑わされることなくその知見を学び・教育に活かしていくためのポイントを提供し、脳科学と健全につき合っていくためのリテラシーと批判的思考をシェアします。
講師は2016年にもABLEにご登壇くださったスイス連邦工科大学のエルスベス・スターン博士とラルフ・シューマッハー博士ご夫妻に再びご登壇いただきます。お二人は、批判的思考力を育むことを目標とした科学・数学教育のカリキュラムを提案し、その実践と検証を行うスイス式「MINT」(Mathematics (数学), Informatics (情報学),Natural Sciences (自然科学), Technology (工学))プロジェクトをスイス全土で展開しています。その一環として、脳科学と教育の神話にも批判的思考を駆使して切り込み、「教育神経科学」という分野を立ち上げて世界の注目を浴びています。
さらに今回は、日本の認知科学の第一人者であり、日本の教育を「主体的な学び」にギアチェンジをさせて、2020年度より始まる入試改革を牽引されている、第17代慶應義塾長、前日本学術振興会理事長の安西祐一郎先生(現:独立行政法人日本学術振興会顧問・文部科学省参与(高大接続改革担当))にもご登壇いただくという豪華プログラムです。スターン・シューマッハー先生たちのお話を受け、安西先生とABLE主宰者今井が脳科学の知見を日本の教育にどのように活かしていけるのか、その可能性を対談します。皆さま奮ってご参加ください。

ABLE 主催者一同


ゲスト・登壇者

エルスベス=スターン

Elsbeth Stern


スイス連邦工科大学
教授


認知心理学者。専門は科学と数学の学習について。1987年にハンブルク大学で博士号を取得した後、ドイツのマックスプランク研究所で心理学の研究に従事。1994年に、ライプニッツ大学で教育心理学の教授就任。1997年にはベルリンのマックスプランク研究所の人間発達科学研究所で科学の認識と科学教育についての研究グループを率いる。2006年10月から、スイス連邦工科大学チューリヒの学習と教授の研究科で教授となり、教師教育プログラムのヘッドとなっている。2012~2015年には、人文社会・政治科学学部の学部長を務めた。また、影響力のある学術論文や書籍を幅広く執筆し、様々な学術雑誌の委員にもなっている。さらに、学びについての認知神経科学の可能性と限界についての国際的な議論に関わり、広い影響を与えている。


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ラルフ=シュマッハー

Ralph Schumacher


スイス連邦工科大学
MINT-学習センター 所長


認知科学者。1994年にドイツのミュンヘン大学で哲学の博士号を取得。ベルリンのフンボルト大学で教授に就任した後、アメリカのプリンストン大学とテンプル大学で研究を行った。2007年からスイス連邦工科大学チューリヒのMINT-学習センターの所長として学校改善についての研究を行っている。


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安西 祐一郎

Yuichiro Anzai


独立行政法人日本学術振興会顧問
文部科学省参与(高大接続改革担当)
チームリーダー


独立行政法人日本学術振興会前理事長、慶應義塾大学第17代塾長。慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了、カーネギーメロン大学人文社会科学部客員助教授、慶應義塾大学理工学部教授、学部長、塾長を経て、慶應義塾大学理工学部名誉教授。専門は認知科学・情報科学。文部科学省高大接続改革プロジェクトチームリーダーも務める。主著に「問題解決の心理学 ― 人間の時代への発想」などがある。


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今井 むつみ

Mutsumi Imai


慶應義塾大学 環境情報学部
教授


1989年慶応義塾大学大学院博士課程単位取得退学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。専門は認知心理学、発達心理学、言語心理学。幼児の言語や概念の発達、認知科学の立場から学びの仕組みを明らかにする研究を行っている。数多くの学術論文を国際誌に発表しているほか、『ことばと思考』(岩波新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくま―プリマ―新書)などの一般書も発表。『学びとは何か―〈探究人〉になるために』(岩波新書)は、これからの学び・教育への理論的指針を与える本として各方面から注目を集めている。


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開催情報

日時

2018年9月22日(土)
12:30開場 13:00開始

会場

株式会社内田洋行東京本社
ユビキタス協創広場 CANVAS 2F

住所: 東京都中央区新川2-4-7
東京メトロ 日比谷線「八丁堀駅」下車、「A4」出口より徒歩4分
東京メトロ 日比谷線・東西線「茅場町駅」下車、「1番」出口より徒歩5分
JR京葉線「八丁堀駅」下車、「B2」出口より徒歩6分
当日会場には駐車場がございません。公共の交通機関でお越しいただくか、近隣の駐車場(有料)をご利用下さい。

定員

120名
お申し込みはこちらから

参加費

一般 ¥5,000
高校生・大学生 ¥2,500

*情報交換会でのフード・ドリンク含む。
*当日受付でお支払いください。

タイムテーブル *進行の都合上、時間は変更になる場合がございます。
12:30 開場
Over View
13:00 - 13:15
オープニング
今井 むつみ 慶應義塾大学教授
Session 1
13:15 - 15:30
脳・学習・教育
エルスベス=スターン スイス連邦工科大学教授
ラルフ=シューマッハ スイス連邦工科大学
                     MINT-学習センター長

通訳・解説 今井むつみ 慶應義塾大学教授
15:30 - 16:00 コーヒーブレイク
Session 2
16:00 - 16:45
トークディスカッション
対談:安西祐一郎 日本学術振興会前理事長・文部科学省参与
               高大接続改革担当
 
    ×今井むつみ 慶應義塾大学教授
Discussion Time
16:45 - 17:30
ディスカッションタイム
Closing
17:30 - 17:45
クロージング
  
  
大久保 昇 株式会社内田洋行社長
  
  
18:00 - 19:15 情報交換会・懇親会


※ポスターの画像をクリックするとPDF形式でダウンロードできます。(1.3MB)

ABLE2018 September 映像


セッション





デスカッション



主催・協力

主催

ABLE事務局
 慶應義塾大学 今井 むつみ、大庭 真人、木村 淳子
 東京コミュニティスクール 山崎 智仁

>> 過去のABLEについてはこちらをご覧ください。

特別協力

株式会社内田洋行 教育総合研究所

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