次回のABLE(2020.2.22)のゲストは、トゥルク大学マアリット・シルベン(Maarit Silvén)教授です。
ABLE -Agents for Bridging Learning research and Educational practiceは、認知科学を中心にさまざまな領域の研究者、教育実践を日々行っている人々、社会変革の担い手となるべく強い思いを抱いている人々とを橋渡しし、学びについての理論、知識、経験をシェアし、新たな学びと教育のありかたを創造してゆきます。今回は、思考研究の中でも類推(アナロジー)の世界的な権威であるゲントナーさんをゲストにお招きし、「考える力を育む教育」をテーマに開催いたします。来年度にいよいよ始まる新しい大学入試の中心となられている安西祐一郎先生、鈴木寛先生にもご登壇いただき、鼎談およびパネルディスカッションを行います。これからの社会で幸せに生きていくために最も大事な思考する力とは何か、その力を育てるためにどうしたらよいのかを認知科学のエビデンスとともに深く考えます。
皆さんとABLEでお会いできることを楽しみにしております。お待ちしております。
ABLE 主催者一同
How children learn complex concepts
Abstract relational concepts, such as ‘carnivore’ or ‘proportion’ are central in science and mathematics, as well as in everyday reasoning (e.g., ‘tradeoff’ and ‘compromise’). Yet they are far more challenging to children than concrete concepts like ‘cat’ or ‘spoon.’ Thus a key question in education is, How do children come to learn and reason with abstract relational concepts, and how can we best support this learning?
I suggest that there are two major forces in relational learning: analogical comparison and language. Analogical comparison between two examples engages a structure-mapping process (Gentner, 1983, 2003) that fosters relational learning. Structure-mapping aids learning in at least three different ways. First, it highlights common relational systems; second, it reveals potentially relevant differences (alignable differences); and third, it promotes new inferences from one situation to the other.
Language plays a critical role in relational learning, by inviting analogical comparison and by helping children retain and transfer relational concepts. To illustrate these points, I will describe research on the process of analogical comparison and how it fosters learning. I will also describe ways in which parents and teachers can harness this powerful learning mechanism to help children learn.
子どもはいかに複雑で抽象的な概念を学ぶことができるようになるのか?
抽象的な関係の概念(例えば「肉食」とか「割合」など)は、科学や数学の核ですが、日常生活の中でも欠かせません。たとえば「トレードオフ」や「妥協」など)。しかしこのような概念は子どもには理解するのが難しく、関係性が理解できないために躓いてしまう子供が多数います。では、子どもはどのように関係性概念を学ぶことができるようになるのでしょうか?そして私たち大人はどのように関係性概念の学習を支援することができるのでしょうか?
私は、関係性の学習には、二つの力が大きな役割を果たすと考えます。それは、類推による比較と言語です。類推による比較は、すでに学習した事柄とこれから学習しようとする事柄の全体構造を捉え、共通部分を対応付けることで、抽象的な関係性の構造を理解することを促し、同時に二つの事柄の重要な差異を浮き上がらせます。また、新しい問題を解決するための推論も促します。言語は類推による比較を促し、関係性を見つけたり、保持する助けとなります。その意味で言語は関係性の学習になくてはならない役割を果たします。今回の講演では保護者や教育者がどのようにこの関係性の概念の学習を支援できるのかを長年の研究のエビデンスを示しながらお話します。
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大学院卒業後、キヤノン株式会社入社。専門である認知科学・行動科学の知識を活用し人間中心設計に関する業務などを推進。2010~2012年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校心理学部にて客員研究員。人の創造性や推論に関する研究に取り組む。帰国後、東京大学にてPh.D.取得。その後、国内コンサルティングファームに転職し、民間企業を対象とした心理学の産業応用支援や人間中心設計・ユーザエクスペリエンスに関するコンサルティング業務に従事。2016年4月より現職。文部科学省科学技術動向研究センター専門調査員。2017年iF Design Award 受賞。心理学を学んだ人材の活躍機会の創出と拡大を目指し活動している。 |
日時
2019年10月27日(日)
12:30開場 13:00開始
会場
株式会社内田洋行東京本社
ユビキタス協創広場 CANVAS 2F
住所: 東京都中央区新川2-4-7
東京メトロ 日比谷線「八丁堀駅」下車、「A4」出口より徒歩4分
東京メトロ 日比谷線・東西線「茅場町駅」下車、「1番」出口より徒歩5分
JR京葉線「八丁堀駅」下車、「B2」出口より徒歩6分
定員
120名
参加費
一般 ¥5,000
高校生・大学生 ¥2,500
*フード・ドリンク込み。
*当日受付でお支払いください。
12:30 | 開場 |
13:00 - 13:15 |
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オープニングトーク |
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13:15 - 15:15 |
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メイントーク 子どもはいかに複雑で抽象的な概念を学ぶことができるようになるのか? |
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15:15 - 15:45 | ブレークタイム |
15:45 - 17:45 |
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トークディスカッション+フロアディスカッション |
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17:45 ー 18:00 |
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クロージング |
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18:15ー19:15 | 情報交換会・懇親会 (B1F) |
主催
ABLE事務局
慶應義塾大学 今井 むつみ
事務局 大庭 真人(慶應義塾大学), 山崎 智仁(東京コミュニティスクール)
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