ABLE 2018 June
フィンランドの
教育
- 学力を支える社会とは -
2018.6.3
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はじめに

ABLE -Agents for Bridging Learning research and Educational practiceは,認知科学を中心にさまざまな領域の研究者、教育実践を日々行っている人々, 社会変革の担い手となるべく強い思いを抱いている人々とを橋渡しし, 学びについての理論, 知識, 経験をシェアし, 新たな学びと教育のありかたを創造してゆきます。  今回は、世界的に高く評価されているフィンランドの教育について紹介し、皆さんと今後の日本の教育について考えることを企画しています。 メインのゲストには、フィンランドのトルク大学のErno Lehtinen先生をお招きしました。フィンランドの子どもたちの学力の高さはよく知られています。子どもたちの学力を支えているものは何かをお話いただき、みなさんと共有していきたいと考えています。合わせて、国際比較教育学がご専門で「競争をやめたら学力世界一」など、フィンランドの教育について多くのベストセラー著書を書かれている都留文科大学学長の福田誠治先生にコメンテータをお願いしています。  Erno Lehtinen先生からは、以下のメッセージをいただいています。  「児童・生徒の学力の国際比較調査では、アジアの一部の国や地域と並んでフィンランドの子供たちの学力は世界的にトップクラスの水準にあることが示されています。ただ、アジア諸国・地域と異なり、フィンランドでは授業時間に余裕があり、子供や先生が学校で過ごす時間が比較的少なく、よい成績をとることへのプレッシャーが低いのが特徴です。それにも関わらず、地域や学校間の差がなく、家庭環境、特に保護者の経済状況による格差も非常に少なくて、子供たちは一様に高い学力を示していることがフィンランドの教育の成果です。フィンランドの教育は、フィンランド国家が、高い創造性を発揮しながら、民主的で高福祉の社会であることを目指す過程の中で時間をかけて作り上げてきたものです。今回のABLEの講演では、その過程についてご紹介します。もちろん、現在のグローバルで急速に変化を続ける世界に対応していくための課題もたくさんあります。本講演では私たちがどのようにこの課題に立ち向かっていくか、そのためにどのように学力を定義し、測定していくのかということについてもお話します。」  皆さんとABLEでお会いできることを楽しみにしております。お待ちしております。


フィンランドの教育に学ぶ

トゥルク大学のErno Lehtinen先生より、フィンランドの教育で大切にしているもの、フィンランドの教育がなぜ学力を育てるかについて、詳しくお話いただきます。



教育・研究現場における
批判的思考と直観的思考の役割

ABLEを主催する今井むつみより、海外の教育理念や制度を紹介し、今日本の教育を考える上での視点を明らかにします。

フィンランドの教育について考える

都留文科大学学長の福田先生より、フィンランドの教育についてお話いただきます。Lehtinen先生の話を受けて、これからの教育についてより深く考えていきます。

今日の学びを活かす

今日の学びを皆さんと共有し、話し合いを通して考えを深めます。



学力を支える社会について考え、得られた新たな学びが皆さんの仕事や日常に活かす一助となりましたら幸いです。

ABLE 主催者一同


ゲスト・登壇者

エルノ・レヘティネン
Erno Lehtinen


トゥルク(Turku)大学教授


フィンランド国内やヨーロッパ、アメリカの大学で教員・研究員を歴任。300を超える論文・専門書の執筆も行っている。主な専門は、数学的思考の発達や、教育工学である。そして大きく変化する労働生活において新しく形成されていく専門性についても研究されている。 2003年~2010年 トゥルク(Turku)大学副学長。受賞歴: 2008年 ヨーテボリ(Gothenburg) 大学より名誉博士号 2009年 欧州教授学習学会(EARLI)よりOeuvre Award受賞

福田 誠治
Seiji Fukuta

都留文科大学学長兼副理事長


1950年生まれ。研究テーマは「人間形成論」、教育哲学/比較文化専攻。ソビエト教育学を一貫して研究。とりわけ、1920年代の新教育の理論をテーマとした。近年は、ソビエト・ロシアおよびヨーロッパの教育分野における民族問題、とりわけ言語権について研究してきた。2005年以降2015年まで、フィンランドの教育を集中的に研究しており、毎年2回ずつ訪れている。また、2008年よりデンマークの教育研究に広げている。

大久保 昇
Noboru Okubo

内田洋行社長


1979年 京都大学工学部卒業後 株式会社内田洋行入社  2014年 同社社長に就任。 1980年代初期から教育の情報化事業を担当し、1987年には日本初(?)の中学校全教室校内LAN導入を実施。1990年代初期から政府等のインターネットの教育利用事業に参画。1998年内田洋行教育総合研究所創設。教育の情報化関連の文部科学省、総務省の委員会委員などを歴任。その他日本教育工学会評議員、日本理科教育振興協会会長、官民コンソーシアム設立賛同人、Eduport委員会委員等々、多くの教育関係の役職等に関係しながら、アジアの高校生交流や各種プロジェクトにも関わる。多数の日本の教育機関に加えて20カ国以上の海外の教育機関も訪問している。

今井 むつみ
Mutsumi Imai

慶應義塾大学 環境情報学部 教授


1989年慶応義塾大学大学院博士課程単位取得退学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。専門は認知心理学、発達心理学、言語心理学。幼児の言語や概念の発達、認知科学の立場から学びの仕組みを明らかにする研究を行っている。数多くの学術論文を国際誌に発表しているほか、『ことばと思考』(岩波新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくま―プリマ―新書)などの一般書も発表。『学びとは何か―〈探究人〉になるために』(岩波新書)は、これからの学び・教育への理論的指針を与える本として各方面から注目を集めている。

開催情報

日時

2018年6月3日(日)
12:30開場 13:00開始

会場

株式会社内田洋行東京本社
ユビキタス協創広場 CANVAS 2F

住所: 東京都中央区新川2-4-7
東京メトロ 日比谷線「八丁堀駅」下車、「A4」出口より徒歩4分
東京メトロ 日比谷線・東西線「茅場町駅」下車、「1番」出口より徒歩5分
JR京葉線「八丁堀駅」下車、「B2」出口より徒歩6分

定員

120名
お申し込みはこちら

参加費

一般 ¥5,000
高校生・大学生 ¥2,500
中学生以下無料
*フード・ドリンク込み。
*当日受付でお支払いください。

                  
タイムテーブル *進行の都合上、時間は変更になる場合がございます。
12:30 開場

13:00 - 13:30
オープニングトーク
今井 むつみ 慶應義塾大学教授

13:30 - 15:30
メイントーク  フィンランドの教育目標、実践、社会
Erno Lehtinen フィンランド トゥルク大学教授
*通訳つき
15:30 - 16:00ブレークタイム

16:00 - 16:45
振り返りトーク
福田 誠治 都留文科大学学長
16:45 - 17:30 ディスカッション&シェアリング

17:30 ー 17:55
レビュートーク&ご挨拶
大久保 昇 株式会社内田洋行社長
17:55 ー 18:00 クロージング  今井 むつみ
18:20ー19:30 懇親&情報交換会 (B1F) ドリンク・軽食あり

ABLE2018 June ポスター


ポスターはこちら

ABLE2018 June 映像


オープニング&Overview






メイントーク




振り返りトーク



コメント



クロージングトーク

主催・協力

主催

ABLE事務局
 慶應義塾大学 今井 むつみ
 事務局 大庭 真人 木村 淳子(慶應義塾大学)
 山崎 智仁(東京コミュニティスクール)
 
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特別協力

株式会社内田洋行 教育総合研究所