トゥルク大学教授
プロフィール
ヘルシンキに生まれ、1950年代にスイスに移住、60年代にはスウェーデンに移住し、10代半ばにフィンランドに戻る。この子ども時代に様々な国で暮らした経験と教育がその後の人生に大きな影響を与え、幼児教育を専門にする契機となった。心理学と教育学を専門とする。2007年にトゥルク大学で教職につき、2011年より教師教育学部の幼児教育講座の教授となる。幼児期の家庭における経験と幼児教育が後の認知発達と学業にどのような影響を与えるかという問題に複数の学問分野の手法を用いて取り組んでいる。乳児期から就学前までの期間の子どもの発達過程を縦断的に調査するプロジェクトを統括してきた。現在は、フィンランドの7つの大学と協働して、幼稚園教諭の資質と情報テクノロジーの知識スキルを向上のために、幼稚園教諭の教育プログラムを改訂し、ウェッブベースで教育プログラムを提供するプロジェクトを行っている。
トーク概要
フィンランドではすべての子どもはECEC (Early Childhood Education and Care――幼児の教育と保育)プログラムを享受する権利がある。ECECは、フィンランドの教育・文化省の監督下におかれており、子どもが幸せで、バランスの取れたよい発達をし、遊びやアート、工作、運動などの活動から学ぶことを支援する。本講演では、ECECのカリキュラムを紹介するとともに、フィンランドのすべてのデイケア(保育園)で、地域差がなく、等しく高水準のECECを提供するための国の定めてカリキュラムと教育と保育を担当する教師・保育士の育成の仕組みについて紹介する。
IPU・環太平洋大学教授
プロフィール
【現職】 IPU・環太平洋大学教授,お茶の水女子大学名誉教授, 学術博士.
【専門分野】発達心理学,認知科学,保育学.
【主要著書】『まごころの保育―堀合文子のことばと実践に学ぶ―』(小学館,1998),
『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店,1999),
『世界の子育て格差―貧困は超えられるか』(共編著,金子書房,2012)
『発達の心理―ことばの獲得と学び』(サイエンス社,2017),
『子どもの見ている世界―誕生から6歳までの「子育て・親育ち」』(春秋社,2017)ほか多数.
【受賞歴】城戸奨励賞(日本教育心理学会,1978),読書科学研究奨励賞(日本読書学会,1980),読書科学賞(日本読書学会,2000),磁気共鳴医学会優秀論文賞(日本磁気共鳴医学会,2006),国際賞功労賞(日本心理学会,2016年),文化庁長官表彰(文化庁,2019年)
【社会活動】NHK「おかあさんといっしょ」の番組開発・コメンテーター,ベネッセの子どもチャレンジの監修,しまじろうパペットの開発,創造性開発の知育玩具「エポンテ」シャチハタとの共同開発(「日本おもちゃ協会」知育玩具部門優秀賞,2015年).
2017年改訂保育所保育指針「未満児〜幼児期に育てたい5領域10の育ち」資料はこちら
ライプチヒ大学教授
プロフィール
2006年にベルリン工科大学より認知心理学の博士号取得後、スイスのETHチューリッヒで講師を務め、その後ドイツザールランド大学の教授に就任。2015年より現職のライプチヒ大学に、教育心理学の教授となる。(1)言語と思考の関係 (2)認知発達における言語の役割(3)学習能力と言語能力の関係を中心に研究している。詳しい経歴や業績はこちら
慶應義塾大学教授
プロフィール
1989年慶応義塾大学大学院博士課程単位取得退学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。専門は認知心理学、発達心理学、言語心理学。幼児の言語や概念の発達、認知科学の立場から学びの仕組みを明らかにする研究を行っている。数多くの学術論文を国際誌に発表し、Cognitive Science Society(国際認知科学会)のFellow, Governing Board Memberに選出されている。『ことばと思考』(岩波新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくま―プリマ―新書)などの一般書も発表。『学びとは何か―〈探究人〉になるために』(岩波新書)は、これからの学び・教育への理論的指針を与える本として各方面から注目を集めている。
プロフィール
広島県では、親子のコミュニケーション、絵本の読み聞かせ、遊びからの学びなどを支援するために様々な取り組みをしています。
今回のABLEには、赤ちゃんが生まれた保護者のためにつくった絵本(今井むつみ監修)、親子コミュニケーションのための4コマ漫画、
親子で遊ぶ「遊びの広場」(広島版「究極のご近所パーティー」)などの取り組みを紹介してもらいます。
保護者向け啓発資料のサイトはこちら
あそびのひろばのサイトはこちら
2020.2.22 Sat. 13:00-18:00
ABLE -Agents for Bridging Learning research and Educational practiceは、認知科学を中心にさまざまな領域の研究者、教育実践を日々行っている人々、社会変革の担い手となるべく強い思いを抱いている人々とを橋渡しし、学びについての理論、知識、経験をシェアし、新たな学びと教育のありかたを創造してゆきます。
今回は、(幼児の日常の経験や遊びを含めた広義の)幼児教育について考えます。賢く、幸せな大人になるために、どのような幼児期を過ごすべきなのか。そのためにまわりの大人は、家庭や幼稚園・保育園で、どのような環境を作り、子どもを支援するべきなのか。保護者や幼稚園・保育園を支援するために行政では何をするべきなのか。フィンランドの幼児教育にスポットを当てながら、私たちが個人として、また社会全体として、何をするべきなのかを考えます。
皆さんとABLEでお会いし、議論できることを楽しみにしております。お待ちしております。
日時
会場
定員
参加費
2020年2月22日(土)
12:30開場 13:00開始
株式会社内田洋行東京本社
ユビキタス協創広場 CANVAS 2F
住所: 東京都中央区新川2-4-7
東京メトロ 日比谷線「八丁堀駅」下車、
「A4」出口より徒歩4分
東京メトロ 日比谷線・東西線「茅場町駅」下車、
「1番」出口より徒歩5分
JR京葉線「八丁堀駅」下車、
「B2」出口より徒歩6分
120名
一般 ¥5,000
高校生・大学生 ¥2,500
*フード・ドリンク込み。
*当日受付でお支払いください。
当日の様子
フィンランドの幼児教育とケア(ECEC)システムの概要
フィンランドの幼児教育ー実際の現場の様子