ABLE2014 Autumnでは,人が熟練するプロセス ― 熟達化 ― 研究において世界をリードするK・アンダース・エリクソン教授をメインゲストとして, 「熟達者の特徴と一流の熟達者になるための条件」について考えます.
エリクソン教授は学術界においては,学習に伴う熟達の過程,その背後にある認知と脳の変化について多くの金字塔的な理論・研究成果を発表し続けています.また,学術界に向けた理論貢献にとどまらず,スポーツ,楽器の演奏,チェスなど様々な分野における熟達の過程から,個別の分野に限定されない,教育やビジネスなど普遍的な分野における学習・熟達に対し深い示唆を与えています.
特に,エリクソン教授が提唱する探究トレーニング(Deliberate Practice)はTime, Wall Street Journal, Financial Times, New York Timesなどの雑誌で特集が組まれるほど大きく取り上げられています.世界で活躍するプロスポーツチームの練習方法として取り入れられ,ABLE2014 Autumnの二日目のスペシャルゲスト,将棋のプロ棋士,羽生 善治氏がその著書に書かれている日々の将棋の研究こそまさにエリクソン教授の探究トレーニングの実践例と言えるでしょう.エリクソン教授はフィラデルフィア・イーグルスやマンチェスター・シティFCなど,名だたるプロスポーツチームの相談役として実践へ貢献もされています.
エリクソン教授は,ノーベル賞を受賞されたハーバート・サイモン教授のもとで元慶應義塾長,日本学術振興会 安西 祐一郎理事長と机を並べておられたご学友でもあり,ABLE2014 Autumnの初日プログラムには,ここでしか聴くことのできない,一対一のトークセッションもご用意しております.
さらに,ABLE2014 Autumnの二日目プログラムには将棋のプロ棋士,羽生 善治氏,プロチェスプレイヤーの小島 慎也氏のお二人とエリクソン教授を交えたディスカッションも企画しています.一日目,二日目ともに他では観ることのできない企画をご用意しておりますので,ぜひ両日ともご参加ください.
フロリダ州立大学教授
- プロフィール -
熟達の認知の性質と熟達者に至る過程についての研究で世界をリードする.彼が提唱する超一流の熟達者になるためのDeliberate Practice理論は世界のプロスポーツや芸術,ビジネスの場で大きな影響を与えている.
プロ棋士
- プロフィール -
将棋界にとどまらず一般にも広く知られている日本を代表的する棋士. 19歳で初タイトルの竜王位を獲得し, 1996年に初の7タイトル独占を達成. その後も圧倒的な強さで1つ以上のタイトルを23年に渡って維持している. 「大局観」など著作も数多くあり, 羽生棋士の強さの秘密についての科学的な研究も盛んに行われている.
プロチェスプレイヤー
- プロフィール -
日本のプロチェスプレイヤー. 高校時代の2005年に全日本チェス選手権に史上最年少で優勝し, チェスの日本チャンピオンとなる. 2010年の第43回全日本チェス選手権で5回目の優勝を果し, その後も数々の大会で優勝を重ねている. プレイヤーだけでなくトレーナーとしても活動しており, 羽生棋士のチェスのトレーナーも務めている.
日本学術振興会会長
中央教育審議会会長
- プロフィール -
前慶應義塾大学塾長. 慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了, カーネギーメロン大学人文社会科学部客員助教授, 慶應義塾大学理工学部教授, 学部長, 塾長を経て, 慶應義塾大学理工学部名誉教授. 専門は認知科学,情報科学. 主著に「問題解決の心理学 ― 人間の時代への発想」などがある. エリクソン氏とはカーネギーメロン大学のノーベル賞受賞者ハーバート=サイモン教授の研究室で議論を交わした学友である.
沖縄科学技術大学院大学教授
- プロフィール -
沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授. 専門は人間の心の生物学的基盤を, トップダウン的な理論モデルとボトムアップ的な生物学実験の融合により理解する計算論的神経科学. 予測や意思決定の分野でScienceなど世界的な学術誌に研究成果を発表し続けている. 著作に「脳の計算機構―ボトムアップ・トップダウンのダイナミクス」などがある.
北京師範大学教授
- プロフィール -
東北大学で工学博士を取得後, 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 研究員を経て, 北京師範大学教授. 専門は認知神経科学. 理化学研究所ではプロ棋士の直観による最善の手の案出の脳内機構を, 羽生棋士をはじめとするプロ棋士を対象に脳の活動を明らかにした. その結果は世界トップの学術誌 Scienceに掲載されている.
慶應義塾大学准教授
- プロフィール -
慶應義塾大学 環境情報学部准教授. MLB Chicago Cubs Baseball Club所属選手(1998-199年). 専門は人間工学, スポーツ心理学, 運動学習と制御. アメリカンフットボールや野球など数々のスポーツで, 選手の巧みな技やコツについて人間工学的な手法を用いて明らかにしている. 著書に「スキルサイエンス入門 ―身体知の解明へのアプローチ―」などがある.
東京コミュニティスクール
探究プロデューサー ABLE主宰者
- プロフィール -
NPO法人 東京コミュニティスクール 探究プロデューサー. ABLE主宰者. 自らの頭で考え試行錯誤のなかから学ぶ「探究力」の重要性を提唱. 教育現場で「探究力」を育てる教育を行う傍ら, 英語教育, 英語環境下での日本語学習指導, コミュニケーション能力育成等に関する教育・研究・実践活動や講演などを行っている. 著書に「探究する力」, 「英語を子どもに教えるな」などがある.
慶應義塾大学教授
ABLE主宰者
- プロフィール -
慶應義塾大学 環境情報学部教授. ABLE主宰者. ノースウエスタン大学心理学部博士課程卒業. 専門は認知心理学, 発達心理学, 言語心理学. 幼児の言語や概念の発達, 認知科学の立場から学びの仕組みを明らかにする研究を行い、Cognitionなどのトップクラスの国際学術誌に論文を発表し続ける傍ら, 市川らとともに現場の先生たちと探究型の学びをどのように現場で実践するかをともに探究する活動を展開. 主著に「新人が学ぶということ:認知学習論からの視点」,「ことばの発達の謎を解く」「ことばと思考」などがある.
一日目(11月29日)は登壇者と参加者が直接語らうサイエンスカフェ形式で東京駅近くの内田洋行本社ビルCANVASのスペースで行います.
テーマは「生涯かけて熟達し続けるための探究的トレーニング」です.午前から午後までの丸一日という時間を贅沢に使い,エリクソン教授の講演、探究トレーニングの理論、実践についてEricsson教授と日本学術振興会理事長で中央教育審議会会長の安西祐一郎氏との対談を軸に、参加者が登壇者とともに学びと熟達についてディスカッションを通して考えます。
日時
2014年11月29日(土)
10:00開場,10:30スタート
会場
株式会社内田洋行東京本社
ユビキタス共創広場CANVAS 2F
〒104-8282 東京都中央区新川2-4-7
会場ご案内
定員
120名
定員に達しました.お申し込みありがとうございました.
参加費
¥1,000-
懇親会参加費
¥3,000-
10:00 | 開場 |
10:30 - 10:45 | |
オープニングトーク |
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10:45 - 12:00 | |
K・アンダース・エリクソン教授 講演 |
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ランチタイム | |
13:30 - 14:30 | |
ディスカッション |
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コーヒーブレイク | |
15:00 - 16:00 | |
参加者ディスカッションタイム | |
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16:00 - 17:15 | |
パネルディスカッション | |
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17:15 - 17:30 | |
クロージングトーク |
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18:00 - | 懇親会(B1F) |
第二日目は(11月30日)は「将棋とチェスを通して考える,一流の熟達者が実践する探究的トレーニング」をテーマにしたトークセッションです.慶應大学三田キャンパスに場所を移します。プロ棋士の羽生 善治氏,プロチェスプレーヤーの小島 慎也氏が、将棋とチェスにおいて超一流の達人になるための日々の練習の実践や心構えについて語り、エリクソン教授が専門家の立場からコメントします。羽生 善治氏をはじめとしたプロ棋士の直感の働き方を脳科学から研究した万小紅氏と脳科学者の銅谷賢治氏による熟達者の脳の働きの解説、羽生 善治氏による脳科学者へのコメントなどのセッションもあります。
日時
2014年11月30日(日)
13:00開場,13:30スタート
会場
慶應義塾大学 三田キャンパス
北館ホール
会場ご案内
定員
240名
(定員に達しましたため締め切らせて頂きました.お申込みありがとうございました.)
参加費
¥1,000-
13:00 | 開場 |
13:30 - 13:40 | |
オープニングトーク |
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13:40 - 14:10 | |
トーク 「将棋のトッププロの思考」 |
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14:10 - 15:00 | |
トークセッション 「将棋,チェスのトッププロになるための条件」 |
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休憩 | |
15:10 - 16:10 | |
K・アンダース・エリクソン教授 講演 | |
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休憩 | |
16:30 - 17:00 | |
解説:トッププロ棋士の直観と判断の脳内メカニズム | |
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17:00 - 17:30 | |
パネルディスカッション | |
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17:30 - 17:45 | |
クロージングトーク | |
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主催
慶應義塾大学 今井むつみ研究室
東京コミュニティスクール
共催
科研費新学術領域「予測と意思決定」
慶應義塾大学 先導研「論理と感性のグローバル教育センター」
慶應義塾大学 次世代研究プロジェクト推進プログラム
基礎学術研究 「論理思考の次世代型研究と論理的思考力発達支援への応用研究」
特別協力
株式会社内田洋行 教育総合研究所
協力
慶應義塾大学 井庭崇研究室・加藤貴昭研究室
お問合せはABLE事務局(able2014@keio.to)
もしくは下記のボタンからお問合せください.