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  • 研究会 (春・秋学期)

    研究テーマ

    本研究会では、認知心理学、認知科学に関する幅広いトピックについて扱い、
    人間の「知」の性質、特に人間の学習の認知メカニズムを探ります。

    私たち人間はどのように学習し、記憶し、さまざまな問題を解決する方法を見出していくのでしょうか?
    私たち人間だけがなぜ言語を持つのでしょうか?
    言語はどのように学習され、私たちの嗜好に影響を与えるのでしょうか?
    私たちが言語を話したり、思考したりするとき、私たちの脳はどのように働いているのでしょうか?
    今井研究会では、認知心理学と脳科学を中心に、
    哲学・言語学・コンピュータ科学など認知科学の根幹をなす様々な領域からの研究を統合し、
    人間の知と学習メカニズムの解明に取り組むと共に、数学教育や英語教育への応用を目指します。

    活動内容

    研究会では、基礎知識、手法の確立と実際のプロジェクト、と大きく二つにわかれて活動しています。
    まず、認知心理学、脳科学、言語学に関する本や論文を読み、それを皆の前で発表することによって、
    研究をするために必要な知識を養います。
    さらに、履修者は最低ひとつのプロジェクトに参加し、具体的にデータをとり、
    プロジェクトを進めていきます。
    プロジェクトを通して実験の計画の仕方、行い方、データ分析の仕方など、
    卒業制作に必要なスキルや知識を実践的に学習します。
    二つのプロジェクトを同じ時間内に行うことで、
    基礎的な認知科学とその教育的応用の両方について触れ、考えます。

    プロジェクト

    現在、主に2つのプロジェクトを行っています。

    1.言語と脳科学プロジェクト

    言語と脳科学プロジェクトでは、
    先端をいく実験手法と乳幼児の言語発達や多言語比較の研究を
    通して言語と脳の関係に迫ります。
    研究興味に合わせて様々な手法に携われることが特徴であり、
    実際の調査に参加することで、研究手法や研究の行い方を経験しながら学べます。

    2.教育プロジェクト

    教育プロジェクトでは認知心理学のさまざまな知見を教育へ応用し、
    「よりよい学び」を実現する教育カリキュラムのデザインを目指しています。
    東京コミュニティスクール(http://tokyocs.org/)と協力して、
    単に公式や事 実を覚えるということではなく、自分から勉強する姿勢とそのためのスキルを学び、
    「探求する力」をはぐくむためのカリキュラムをデザインすることが目標です。

    過去の活動

    2011年度

    2011年度はITSの活動を中心としつつ、世界の先進教育実践を調査分析もしています。
    具体的には「日本の教育を変える!」プロジェクトを御覧ください。

    2010年度の実践

    2010年春学期、秋学期を通して公立小学校の先生方、
    東京コミュニティースクール校長である市川力先生をおよびし、
    ワークショップを開催しました。
    今後この活動を継続し、あらたにITS[Inquirers Team Shonan]として
    探究型学習をになっていくための支援を行っていきます。

    2009年度の実践

    2009年秋学期では週に一回TCSにお邪魔し、
    子供のエネルギーに関する素朴概念 を調査する実験を行い、
    科学的な概念について様々な面白い結果が得られました。
    春学期からはこれらの結果をベースに用いて、
    子供のエネルギーに関する科学的 理解を深めていく予定です
    詳しくは、以下のリンクをご覧ください。

    2008年度までの実践

    教育プロジェクトでは認知心理学のさまざまな知見を教育へ応用し、
    「よりよい学び」を実現する教育カリキュラムのデザインを目指し、
    E-learningのコンテンツの開発を同時に行っています。
    現在は、主に外国語教育と、初等レベル(小学校)の算数教育を対象にしています。

    (1)外国語教育(特に英語教育) 外国語学習の認知メカニズムに関する基礎研究をすすめるとともに、
    乳幼児における母語の言語学習のメカニズムと成人の外国語学習のメカニズムの違いを意識し、
    中学・高校・成人にとって最適な外国語教授法を考えています。
    特に語彙の学習に力を入れており、学習者が語彙を自分で学習し、
    実際に「使える」語彙を増やしていける学習システムを開発中です。

    (2)算数教育 小学生を対象にした算数教育について、
    概念的知識と手続き的知識に着目しながら研究を進めています。
    そして、最終的には、小学生が算数の基礎学力をもとに、
    複雑な問題も筋道を立てて解くことができるような問題解決能力を
    身につけることが可能となるカリキュラムの考案を目標にしています。

    メッセージ

    ひとつ、あるいは複数のプロジェクトに参加して実験的認知心理学の研究をしていきます。
    認知心理学、認知科学、脳科学に興味があり、
    自分で実験をして人間の学習メカニズムを明らかにしていきたい人、
    認知・脳科学の最先端のプロジェクトに参加したい人、英語ぎらい、算数ぎらいをなくすような、
    新しい教育方法について考えたい人、データサイエンスで得た統計の知識を
    本物の実験研究の解析に使ってさらに磨きをかけたい人、
    学習のできるコンピュータ(人工知能システム)を作りたいと考えている人などを特に歓迎します。
    プロジェクト中心の密度の高い研究会にしていきたいと思います。





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